この記事のポイント
- 本命卦は生まれ年と性別から割り出す、その人固有の「方位のタイプ」です
- 8つの本命卦は東四命・西四命の2グループに分かれ、吉方位と凶方位が正反対になります
- 計算式は男女で違いますが、生まれた年の数字をすべて足す方法なら2000年をまたいでも同じ式で計算できます
- 生気・天医・延年・伏位が四吉方位、絶命・五鬼・六殺・禍害が四凶方位で、それぞれ意味が異なります
- 本命卦がわかれば、寝室や玄関の位置を決めるときの判断材料のひとつになります
引っ越し先の間取り図を眺めながら、「このベッド、どっちの壁につければいいんだろう」と迷ったこと、ありませんか? 方角を意識したいけれど、東西南北のどれが自分にとって良いのか、正直よくわからない——そんな人は意外と多いと思います。
風水にはその疑問に答えてくれる考え方があります。それが「本命卦(ほんめいか)」です。生まれた年と性別さえわかれば、自分にとっての吉方位・凶方位を導き出せる、いわば風水版の”自分の取扱説明書”のようなものなんです。
この記事では、本命卦の意味から、東四命・西四命という2つのグループの違い、そして実際に自分の本命卦を計算する方法までを順を追って整理していきます。読み終わるころには、自分の吉方位・凶方位を自分で調べられるようになっているはずです。

本命卦とは?生まれ年からわかる「自分の方位のタイプ」
生まれた瞬間の光が方位の形に集まっていく
本命卦とは、生まれた年と性別から算出する、その人固有の方位の吉凶パターンを示す風水の考え方です。中国の伝統風水の一派「八宅風水(八宅派)」の中心概念で、古典『八宅明鏡』に体系がまとめられているとされています。
八宅風水では、易経の八卦(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)を使って、人にも家にも「卦」を割り当てます。人に割り当てられるのが本命卦、家(正確には玄関の向きなど)に割り当てられるのが宅卦です。この2つの相性を見て、住まいのどこにどんな機能を配置するのが良いかを判断していくのが、八宅風水の基本的な使い方なんですね。
本命卦は生まれつき決まっていて、一生変わらないとされています。誕生日ごとに変わる運勢とは違い、「自分という土台がどういうタイプの方位と相性がいいか」を示すもの、とイメージしておくとわかりやすいと思います。
東四命・西四命とは?吉方位・凶方位が正反対になる仕組み
図1: 円が2つに分かれる、東四命と西四命の対比図
東四命と西四命は、8種類ある本命卦を吉方位の傾向で2グループに分けたものです。坎・離・震・巽の4つが東四命、乾・坤・艮・兌の4つが西四命に分類されます。
| グループ | 本命卦(4種) | 吉方位の傾向 |
|---|---|---|
| 東四命 | 坎・離・震・巽 | 北・東・東南・南 |
| 西四命 | 乾・坤・艮・兌 | 西・西北・西南・東北 |
ここがちょっとおもしろいところなのですが、東四命と西四命では吉方位と凶方位がきれいに反転する関係にあります。東四命の人にとっての吉方位が、西四命の人にとっては凶方位になる、というくらいはっきりした違いがあるんです。
だからこそ、風水的には「東四命の人は東四宅(東四命向きの間取りの家)に、西四命の人は西四宅に住むのが理想」とよく言われます。とはいえ、家族全員が同じグループとは限りませんし、今の住まいをすぐに変えられるわけでもありませんよね。その場合は住宅全体よりも先に、自分自身の本命卦を優先して考えるのが基本の姿勢とされています。次の章で、実際に自分の本命卦を出す方法を見ていきましょう。
【実践】本命卦の調べ方・計算方法(男女で式が違う)
図2: 4つのステップでわかる本命卦の計算フロー
本命卦は、生まれた年の数字をすべて足して1桁にし、男女それぞれ決まった計算をすることで求められます。手順は次の通りです。
- 生まれた年(西暦)を確認する。ただし2月4日ごろの「立春」より前に生まれた人は、前年生まれとして計算する(中国占術では年の区切りを立春とするため)
- その西暦の数字をすべて足す。2桁になったら、さらに足して1桁にする(この数をXとする)
- 男性は「11−X」、女性は「X+4」を計算する(10以上になったら9を引く)
- 出てきた数字が「5」になった場合だけ特別ルールがあり、男性は「2(坤)」、女性は「8(艮)」に読み替える
数字と卦の対応は、風水で使われる後天八卦の並びに基づいています。
| 数字 | 1 | 2 | 3 | 4 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 本命卦 | 坎 | 坤 | 震 | 巽 | 乾 | 兌 | 艮 | 離 |
たとえば1988年生まれの男性なら「1+9+8+8=26」→「2+6=8」で、「11−8=3」。本命卦は震(東四命)です。1993年生まれの女性なら「1+9+9+3=22」→「2+2=4」、「4+4=8」で、本命卦は艮(西四命)になります。
ちょっと踏み込んだ話をすると、サイトによっては「2000年生まれ以降は計算式が変わる」と説明されていることがあります。これは生まれ年の下2桁だけで簡易計算する方法を使っているためで、この記事のように西暦4桁すべてを足すやり方なら、実は2000年をまたいでも同じ式(男性は11から引く、女性は4を足す)でそのまま計算できます。たとえば2003年生まれの男性なら「2+0+0+3=5」、「11−5=6」で乾(西四命)です。年をまたぐたびに式を覚え直す必要がないぶん、こちらの方法のほうが実は扱いやすいと思います。
生年月日を数字に置き換えて自分を読み解くという発想は、マヤ暦のKINナンバーの出し方にも通じるものがあります。計算のロジックはまったく別物ですが、「生まれた日の数字には意味がある」と捉える感覚は共通しているのかもしれません。
【事例(フィクション)】
30代のCさんは、新居探しの内見のたびに「この部屋、なんとなく落ち着かないな」と感じることが続いていました。ある日、自分の本命卦を計算してみたところ西四命だったにもかかわらず、それまで惹かれていた物件はどれも東向きの部屋ばかりだったことに気づいたそうです。方角がすべてを決めるわけではないと分かってはいたものの、Cさんはこれをきっかけに、寝室の位置だけでも自分の吉方位に近い部屋を意識して探すようになったといいます。
※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。
四吉方位・四凶方位——生気から絶命まで8つの方位が示す意味
図3: 8方位を吉と凶に分ける円環インフォグラフィック
八宅風水では、本命卦ごとに8つの方位が「四吉方位」と「四凶方位」に振り分けられ、それぞれ生気・天医・延年・伏位、絶命・五鬼・六殺・禍害という名前がついています。
| 名称 | 種別 | ランク | 示すとされる意味 |
|---|---|---|---|
| 生気 | 吉 | 最大吉 | 発展・活力・チャレンジ運(寝室より仕事や活動の場に向くとされる) |
| 天医 | 吉 | 大吉 | 健康・集中力(寝室に適した方位とされる) |
| 延年 | 吉 | 中吉 | 人間関係・恋愛運・家族運 |
| 伏位 | 吉 | 小吉 | 安定・堅実な積み重ね |
| 禍害 | 凶 | 小凶 | ささいな不安・口論 |
| 六殺 | 凶 | 中凶 | 散財・停滞 |
| 五鬼 | 凶 | 大凶 | トラブル・争いごと |
| 絶命 | 凶 | 最大凶 | 大きな失敗・体調不良への注意 |
ちょっと意外に思われるかもしれませんが、「最大吉」の生気は活動的なパワーを表す方位なので、実はデスクワークやビジネスの場に向いていて、寝室にはあまり向かないとされています。寝室に向くのはむしろ天医のほうなんです。「吉方位ならどこでも良い」というわけではなく、方位ごとの得意分野を踏まえて使い分けるのが八宅風水らしいところだと思います。
どの方位にどの八遊星が当てはまるかは、本命卦の種類によって組み合わせがすべて異なります。8種類×8方位の対応表があるのですが、この記事では紹介しきれない量になるので、まずは自分の本命卦の系統(東四命か西四命か)と、8つの方位が持つ意味の大枠をつかんでおくのが実用的だと思います。
本命卦を暮らしに取り入れるコツ——宅卦・寝室・玄関の考え方
月明かりが差し込む寝室と玄関のやさしい光
本命卦をふだんの暮らしに取り入れるなら、まずは寝室と玄関の位置から意識してみるのが現実的です。八宅風水では、この2つが運気全体への影響が大きいとされているからです。
寝室は、自分の四吉方位、特に健康運を表す天医の方角に置くのが理想とされています。逆にキッチン・トイレ・浴室のような水回りは、あえて凶方位に配置して「凶の作用を抑え込む」という考え方をするのも八宅風水らしい発想です。悪い方位を避けるだけでなく、うまく使いこなすという視点があるんですね。
玄関については、家全体の「宅卦」を決める重要なポイントとされ、本命卦との相性を見るときの基準になります。ただ、実際の住まいでは家族の本命卦がバラバラだったり、間取りをそう簡単に変えられなかったりしますよね。そういうときは家全体を作り替えようとせず、まず自分がよく使う場所——自分のベッドの向きや、デスクの位置——から少しずつ意識してみるくらいがちょうどいいと思います。方位はあくまで判断材料のひとつで、暮らしやすさや安全性を犠牲にしてまで従うものではありません。
本命卦と九星気学は何が違う?よく混同されるポイント
本命卦と、日本でよく知られる九星気学の「本命星」は、名前が似ていますが別の体系です。本命卦は生まれ年と性別の両方から決まり男女で異なる8パターン、本命星は生まれ年だけで決まり男女共通の9パターンという違いがあります。
九星気学は日本で独自に発展した占術で、一白水星・二黒土星といった9つの星から、その年ごとの吉方位や引っ越しの方位取りを見るのが主な使い方です。一方の本命卦は中国伝統の八宅風水に基づくもので、住まいの間取りや部屋の使い方といった、暮らしの空間づくりに軸足があります。どちらも古代中国の「洛書(らくしょ)」という数字の並びをルーツに持っている点は共通していますが、目的も計算方法も別物と理解しておくと混同しにくいと思います。
方位を暮らしに取り入れるタイミングとして、一粒万倍日や天赦日のような開運日に合わせて模様替えをする、という楽しみ方をする人もいるようです。本命卦で「どの方位が良いか」がわかったら、いつ動くかを開運日と組み合わせて考えてみるのも一案だと思います。
よくある質問
Q:本命卦はどうやって調べるのが一番簡単ですか? 生まれ年の数字をすべて足して1桁にし、男性は11から引く、女性は4を足す(10以上なら9を引く)という計算式を使うのが基本です。計算が面倒な場合は、生年一覧表を掲載しているサイトで自分の生まれ年を探す方法でも同じ結果が得られます。
Q:本命卦と九星気学の本命星は同じものですか? いいえ、別の体系です。本命卦は生まれ年と性別の両方から決まる8パターンの風水の概念、本命星は生まれ年だけで決まる9パターンの九星気学の概念で、計算方法も使う目的も異なります。
Q:東四命の人が西四命向きの家に住むと良くないのでしょうか? 必ずしも「悪い」と断定できるものではありません。理想は本命卦と住まいのグループを揃えることとされていますが、実際の住まいでは制約も多いものです。まずは寝室の位置など、自分が調整できる範囲から意識してみるという考え方もあります。
Q:立春が年の区切りになるのはなぜですか? 中国の伝統占術では、暦の上で春が始まる立春(毎年2月4日ごろ)を1年の切り替わりとみなす考え方が使われているためです。1月1日から立春前までに生まれた人は、本命卦の計算上は前年生まれとして扱います。
Q:引っ越しが難しい場合、本命卦の吉方位はどう取り入れればいいですか? 住まい全体を変えなくても、寝室でのベッドの向きや、よく座るデスクの位置など、自分で調整できる範囲から少しずつ試してみる方法があります。方位はひとつの判断材料であり、暮らしやすさとのバランスを大切にすることをおすすめします。
まとめ
本命卦は、生まれ年と性別から導き出せる、自分にとっての吉方位・凶方位を知るための手がかりです。東四命・西四命という2つのグループに分かれ、それぞれ生気・天医・延年・伏位という四吉方位、絶命・五鬼・六殺・禍害という四凶方位を持っている——ここまで見てきたように、単なる「良い方角・悪い方角」の一覧ではなく、方位ごとに得意分野が違う、奥行きのある考え方だとわかってもらえたのではないかと思います。
自分の本命卦を計算してみることは、そんなに難しい作業ではありません。まずは自分がどちらのグループに属するのかを知るところから始めて、寝室やデスクの向きなど、無理のない範囲で少しずつ取り入れてみてはどうでしょうか。方位は答えを決めつけるものではなく、暮らしを見直すきっかけのひとつとして付き合っていくくらいがちょうど良いのかもしれません。
もし自分の本命卦や住まいとの相性について、専門的な視点からじっくり相談してみたいと感じたら、電話占いの予約の仕組みと狙い目の時間帯も参考にしてみてくださいね。