この記事のポイント
- サビアンシンボルは1925年に誕生した「360度それぞれに固有のシンボル像」を持つ占星術の体系
- 太陽のサビアンシンボルは「人生のテーマ・使命感の輪郭」を読む出発点として活用される
- 度数の出し方には「+1(切り上げ)」という独自ルールがあり、ここが最大のつまずきポイント
- ホロスコープ作成→度数確認→切り上げ→シンボル検索、という4ステップで誰でも調べられる
- 出生時間が不明でも太陽のシンボルは読めるので、初心者の入口として最適

西洋占星術に少し慣れてくると、「サビアンシンボル」という言葉が目に入るようになってきます。12星座や10天体の基本を覚えたあとの”次の一歩”として、じわじわと気になり始める、そんな存在ではないでしょうか。
いざ調べようとすると、「度数って何を確認すればいいの?」「+1ってどういう意味?」と手が止まってしまう方も多いようです。やり方さえわかれば難しくないのに、最初の一歩で詰まってしまうのはもったいないな、と感じます。
この記事では、サビアンシンボルの成り立ちから、太陽の度数の出し方、切り上げルールの背景、シンボルの読み方まで、順番に手順を整理します。今日初めて挑戦する方でも迷わず進めるよう、「太陽のサビアン」に絞って丁寧に解説しますね。
サビアンシンボルとは〜360枚のカードから生まれた象徴の体系
サビアンシンボルの誕生は1925年、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴのバルボア公園にさかのぼります。
占星術研究家のマーク・エドモンド・ジョーンズと、霊媒師のエルシー・ホイーラーが1日かけて行ったセッションがその起源です。ジョーンズは星座と度数だけを書いた360枚のカードを一枚ずつホイーラーに手渡し、彼女がそのたびに浮かんだビジョンを言葉にしていく、という作業を360回繰り返したと伝えられています。重度のリウマチで車椅子生活だったホイーラーが、その場で次々とシンボルのイメージを語ったという話は、今も多くの占星術書に記されています。
こうして生まれた360個のシンボルは、1953年に出版された『サビアン・シンボルズ・イン・アストロロジー』(マーク・エドモンド・ジョーンズ著)にまとめられ、現在に至るまで西洋占星術の深読みに広く使われています。
ざっくり言うと、ホロスコープの各天体が位置する「1度ひとつひとつ」に、詩のようなシンボル像が対応しているシステムです。12星座×30度=360シンボルが全体を構成しています。通常の星座読みが「おおまかな色合い」だとすれば、サビアンシンボルは「その色合いのなかに見える、より具体的なモチーフ」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
なぜ「太陽のサビアン」から始めるのが良いのか
サビアンシンボルは太陽・月・水星・金星・火星など、ホロスコープに登場するすべての天体について調べることができます。ではなぜ、最初は太陽のシンボルから見ることが多いのでしょうか。
理由は二つあります。
一つ目は、太陽が「人生のテーマや方向性」を象徴する天体だから。一般的に太陽は自己表現のあり方や、生涯を通じて目指す方向性を示すとされています。そのサビアンシンボルを読むことで、「私がこの人生で何に向かって歩いているのか」という問いに対する、詩的で象徴的なヒントが得られると考えられています。この「魂の使命」に近い問いへのアプローチは、占星術のドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとは〜ノードが示す魂の課題と使命〜でも別の切り口から扱っていますが、サビアンシンボルはその問いをより詩的な言語で照らし出してくれます。
二つ目は、太陽は出生時間に関係なく正確に計算できるという実用的な理由。月やASC(アセンダント)・MC(ミッドヘブン)は数時間の誤差でも大きく変わるため、出生時間が不明だと特定が難しくなります。でも太陽は1日あたり約1度しか動かないので、出生時間がわからない方でも太陽のシンボルはほぼ確実に確認できます。
入口として太陽から入るのは、精度と意味の両面から理にかなった選択です。
太陽の度数を出す手順〜4ステップで完結
難しそうに見えて、手順は4つだけです。一つひとつ確認していきましょう。
ステップ1:ホロスコープを無料で作成する
まず、自分のホロスコープが必要です。
代表的なのは astro.com(Astrodienst)。プロの占星術師も使う信頼性の高いサイトで、無料でチャートを作成できます。生年月日・出生時間・出生地を入力してチャートを生成してください。出生時間が不明な場合はその旨を選択するか、正午(12:00)で代入するのが一般的な対処方法です。
horofor.com/sabian というサイトでは、生年月日を入力するだけで直接サビアンシンボルが一覧表示される機能があります。ホロスコープ図の読み方に自信がないうちは、こちらの方が手間が省けて便利です。
ステップ2:太陽の星座と度数を確認する
ホロスコープ図またはデータ表から、太陽(☉)の位置を確認します。
例えば「獅子座 20°43’」のように表示されているはずです。このとき目を向けるのは「星座」と「度数の整数部分」。分(‘)や秒(“)の部分は次のステップで扱います。
ステップ3:度数を「+1」する(切り上げ)
ここがサビアンシンボル独特のルールです。
ホロスコープに表示された度数に、必ず 1を足します。
獅子座 20°43’ → 読むのは「獅子座21度」
牡羊座 0°15’ → 読むのは「牡羊座1度」
魚座 29°55’ → 読むのは「魚座30度」
端数(分・秒)は無視して、整数部分に1を加えるだけ。なぜこうするのかは次のセクションで詳しく説明します。
ステップ4:該当のシンボルを調べる
切り上げた度数(例:獅子座21度)で、サビアンシンボルの一覧を検索します。
日本語のサビアンシンボル解説サイトはいくつかあり、「サビアンシンボル 獅子座 21度」と検索すると関連ページがヒットします。12星座それぞれの1〜30度を一覧で掲載しているページをブックマークしておくと、毎回の検索が楽になります。
【事例(フィクション)】
30代のAさんは、仕事や人間関係でなんとなくモヤモヤを感じていた時期に、ふと西洋占星術が気になり始めました。自分の太陽星座は蟹座だと知っていましたが、サビアンシンボルを調べたことはありませんでした。手順に沿ってホロスコープを確認してみると、太陽は蟹座13°台と表示されていたため、切り上げて「蟹座14度」のシンボルを検索。シンボルのイメージを読んだとき、「これ、今の自分の状況に重なる気がする」と感じたそうです。答えが出たわけではないけれど、自分の気持ちを整理するきっかけになった、と振り返っています。
※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。
「+1」の理由〜なぜ切り上げるのかを理解しておく
初めて知ると「なんで足すの?」と首をかしげたくなるこのルール。背景を知っておくと、次から迷わなくなります。
サビアンシンボルが生まれた1925年当時、そのシステムは「1度・2度・3度……30度」という1からスタートする数え方で設計されました。ところがホロスコープソフトが表示する度数は「0.00〜29.99」というゼロからのカウントです。
つまり、ホロスコープ上の「0.xx度」=サビアン体系では「まだ0度は存在しない → 1度として扱う」 という変換が必要になるわけです。切り上げないと、誰も「30度」を読まないことになりますし、「0度のシンボル」を読もうとしても存在しない。体系設計の違いを吸収するための調整、と理解すると自然に腑に落ちます。
ちょっと意外ですよね。でも理屈がわかれば、もう忘れません。
一点だけ注意が必要なのは、一部の書籍や一覧サイトが「0度〜29度」という表記を採用している場合です。その場合はそのままの数字で引く必要があるので、参照先の表記方式を先に確認するひと手間をお忘れなく。
なお、占星術のデカンとは〜星座を3つに分ける10度のサブタイプと性質の違い〜でも触れているように、度数に基づく解釈は西洋占星術の奥深い領域のひとつ。サビアンシンボルはその中でも最も細かい「1度単位の読み方」に踏み込むシステムです。
シンボルをどう読むか〜象徴から意味を引き出すヒント
サビアンシンボルには、詩的なイメージが書かれています。たとえば「牡羊座1度」は「水から上がる女性のそばに、アザラシが近づいて彼女を抱きしめる」という情景で知られています。
ちょっと意味がつかみにくいですよね。これは直訳するものではなく、象徴として味わうものだということが、読み解きの大前提です。
いくつかのアプローチを紹介します。
① シンボルの要素を書き出す 情景に登場するもの(人・動物・場所・行為)をいったん全部書き出して、それぞれが自分にとって何を想起させるか考えてみます。
② 「何が起きているか」より「どんな状態にあるか」を読む 登場人物が何をしているかより、どんな感情や関係性の中にあるかに注目すると、人生テーマとして置き換えやすくなります。
③ 複数の解説を読み比べる 日本語で解説しているブログや書籍はいくつかあり、微妙にニュアンスが違います。どれかひとつが「しっくりくる」と感じたら、それが自分の感性に合った読み方。急がなくていいです。
④ すべてを即座に解釈しようとしない 「このシンボルがわからない」という感覚自体も、ひとつの気づきになることがあります。時間をおいてからまた戻ってくると、見え方が変わることもあります。

【事例(フィクション)】
40代のBさんは、長年「サビアンシンボルは難しそう」と敬遠していました。ある日、手順通りに試してみると太陽は天秤座5°台だったため、切り上げて「天秤座6度」を検索。シンボルのイメージを読んでも、最初はピンとこなかったそうです。でもそのシンボルの言葉をスマホにメモして時々眺めていたところ、数週間後に職場の人間関係で小さな変化があったとき、「あ、これがそういうことか」と突然腑に落ちた感覚があったと言います。
※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。
太陽以外も見てみよう〜サビアンシンボルの広がり
太陽のシンボルに慣れてきたら、他の天体のシンボルも確認してみましょう。
| 天体 | サビアンシンボルが示す傾向の例 |
|---|---|
| 月 | 感情の傾向・無意識の反応パターン |
| 水星 | 思考・言語・情報との関わり方 |
| 金星 | 美意識・人間関係・愛着のパターン |
| 火星 | 行動エネルギー・挑戦のスタイル |
| 土星 | 試練・責任・成熟のテーマ |
10天体のシンボルを並べると、共通するモチーフやテーマが浮かび上がることがある、と多くの解説者が伝えています。「バラバラに見えていたのに、なぜかつながっている」という感覚になることもあるようです。
また、プログレス(進行法)のホロスコープにサビアンシンボルを組み合わせる方法もあります。プログレス太陽は1年に約1度ずつ動くため、「今年のテーマ」を読む道具として使えます。プログレッション(進行法)とは〜ホロスコープで人生の成長と転換期を読む〜もあわせてご覧いただくと、活用の幅がさらに広がります。
よくある質問
Q:出生時間がわからなくても、太陽のサビアンシンボルは調べられますか?
はい、調べられます。太陽は1日に約1度しか動かないため、出生時間がわからなくても太陽のシンボルはほぼ問題なく特定できます。一方、月・ASC・MCは動きが速く、数時間の誤差で変わってしまうため、出生時間不明の場合はそれらのシンボルの特定が難しくなります。まずは太陽から読み始めるのが現実的です。
Q:切り上げを知らずに読んでいました。今まで調べた内容はやり直した方がいいですか?
切り上げずに読んだ場合、実際には1度ずれた内容を読んでいた可能性があります。やり直してみて、どちらがより自分に響くかを比べてみるのがおすすめです。ただ、ずれた度数のシンボルも「なぜか共鳴した」と感じるなら、それはそれで無効にする必要はないとも言われています。
Q:日本語の解説サイトや書籍で、内容が少しずつ違うのはなぜですか?
サビアンシンボルの元となる英語テキストの翻訳・解釈の仕方に、書き手ごとの違いがあるためです。公式な日本語訳が一つに統一されているわけではなく、各占星術家・研究者が独自に解説を加えています。複数読み比べて、自分の感性に響く解説を選んでみてください。
Q:太陽だけ見れば十分ですか?他の天体も見た方がいいですか?
太陽が入門として最適なだけで、もちろん他の天体も読めます。月・水星・金星など主要な天体すべてにシンボルがあり、10天体分を並べてみると「共通するテーマ」が見えてくることもあります。慣れてきたら少しずつ広げてみるのが楽しい進め方です。
Q:プログレスのホロスコープにもサビアンシンボルは使えますか?
使えます。プログレス太陽は1年に約1度動くため、毎年「今年の太陽のサビアン」が変わります。その年のテーマや方向性を読む際に活用されています。進行法の基礎についてはプログレッション(進行法)とは〜ホロスコープで人生の成長と転換期を読む〜が参考になります。
まとめ〜サビアンシンボルは、星座読みに「物語」を加えるもの
サビアンシンボルは難解な印象があるかもしれませんが、手順を整理すれば思ったよりシンプルです。
- ホロスコープを作成して太陽の度数を確認する
- その度数に「+1」する(切り上げ)
- 切り上げた度数のシンボルを一覧で調べる
- シンボルを「象徴として」読み、自分の人生テーマとの共鳴を探る
太陽のシンボルが「しっくりくる」と感じると、星座の性質という大きな枠組みだけではつかめなかった、自分らしい細部が見えてくることがあります。反対にピンとこなくても焦らなくて大丈夫。サビアンシンボルは「答えを出すもの」ではなく、「自分の内側を整理するきっかけ」として使うものだと思います。
気になったら、まず自分の太陽の度数を一度確認してみてください。思っているよりずっとすんなり辿り着けるはずです。
