この記事のポイント

  • 10円玉3枚があれば、筮竹がなくても易占いの卦を立てられます
  • 表裏の決め方から6回のコイン投げまで、手順は覚えてしまえば5分程度でできます
  • 出た目を「老陽・老陰・少陽・少陰」に振り分ける数え方にはちょっとしたコツがあります
  • 変化した卦(之卦)が出たとき、本卦とどちらを読めばいいか迷いやすいポイントも解説します
  • 易は「答えを当てるもの」ではなく、自分の考えを整理するための道具として使うのがおすすめです

易占いって、なんだか筮竹(ぜいちく)を何十本も操る、ちょっと近寄りがたいイメージがありませんか? 実は財布の中の10円玉3枚だけで、同じように卦(か)を立てることができるんです。専門用語だらけで難しそうに見えても、手順自体はそれほど複雑ではありません。

この記事では、易占いの中でも「略筮法(りゃくぜいほう)」と呼ばれる簡易的なやり方を、コインを使ったバージョンでご紹介します。歴史的な背景もかんたんに触れながら、実際に手を動かして卦を立てるところまで、順を追って説明していきますね。

読み終わるころには、「なるほど、これなら今日からできそう」と思ってもらえるはずです。専門書に載っているような細かい理論は一旦脇に置いて、まずは体験することを優先した内容にしています。

10円玉に宿る、易の静かな声を聴く時間

なぜコインで易占いができるの?略筮法とのつながり

筮竹からコインへ、受け継がれる易の知恵 筮竹からコインへ、受け継がれる易の知恵

易占いにはもともと「本筮法(ほんぜいほう)」という、50本の筮竹を複雑に分け続ける正式な方法があります。これがとても手間のかかる手順で、江戸時代の易学者・新井白蛾(あらいはくが)が、もっと簡単に卦を立てられる方法として広めたのが「略筮法」だと言われています。明治時代に易断で名を知られた高島呑象(たかしまどんしょう)も、これに近い簡略な筮法をよく用いたそうです。

つまり略筮法自体、もともと「もっと手軽に易を立てたい」というニーズから生まれたもの。コインを使う方法は、この略筮法の精神をさらに現代向けに引き継いだ形と考えるとしっくりきます。筮竹の代わりにコインの表裏で陰陽を決め、6回投げるだけで六爻(ろっこう)すべてが決まる。道具は変わっても、「陰陽の組み合わせで卦を立てる」という核の部分は同じなんですね。

易占いの基本:陰陽・八卦・六十四卦をざっくり理解する

陰陽から八卦、六十四卦へと広がる構造 図1: 陰陽から八卦、六十四卦へと広がる構造

易占いの世界観は、実はとてもシンプルな部品の組み合わせでできています。

まず基本になるのが「陰」と「陽」というふたつの記号。陽は途切れていない一本線(⚊)、陰は真ん中が切れた線(⚋)で表されます。この線を3本重ねると「八卦(はっけ)」という8種類の記号が生まれます。乾(天)・兌(沢)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・艮(山)・坤(地)の8つで、それぞれ自然界の何かを象徴していると理解されています。

さらにこの八卦を上下に2つ重ねると、6本の線からなる「六十四卦」ができあがります。8×8で64通り、という単純な掛け算なんですね。六十四卦にはそれぞれ卦辞(かじ)という意味づけがあり、加えて6本それぞれの線に「爻辞(こうじ)」という個別の解説がついています。つまり1つの卦の中にも、さらに細かい6段階の意味が含まれているということ。

数字だけ見るとちょっと圧倒されそうですが、今の段階では「陰陽の組み合わせが積み重なって64種類の物語ができている」というイメージだけ持っておけば十分です。

準備するもの:10円玉の表裏はどう決める?

用意するのは10円玉3枚だけ。100円玉でも構いませんが、10円玉は身近で見分けやすいのでおすすめです。

10円玉の表面には平等院鳳凰堂が、裏面には唐草模様と「10」の数字が描かれています。どちらを陽、どちらを陰にするかは、実はルールが厳密に決まっているわけではありません。占いを始める前に、自分の中で「鳳凰堂の面を陽、数字の面を陰にする」というように、ひとつだけ決めておけば大丈夫です。ここで大事なのは、途中でルールを変えないこと。1回の占いの中で表裏の意味がぶれると、出た卦の信頼性がなくなってしまいますからね。

ちなみに占う前には、静かな場所で「何を知りたいのか」を頭の中でひとつに絞っておくのがコツです。「彼との今後、続けるべきかどうか」「この仕事を続けるべきか」など、YES/NOで問いかけられる形にしておくと、あとで卦を読むときにブレにくくなります。

【実践】コイン3枚で卦を立てる6つのステップ

6回の投げが積み上がり、一つの卦になる 6回の投げが積み上がり、一つの卦になる

ここからが本番です。手順は次の6ステップです。

  1. 占いたいことを心の中で静かに問いかける
  2. 10円玉3枚を両手で軽く振る
  3. 机の上に投げる(サイコロを振るような感覚でOKです)
  4. 出た表裏の組み合わせを記録する(下の判定表を使います)
  5. これを合計6回繰り返す
  6. 1回目の結果を一番下(初爻)、6回目の結果を一番上(上爻)として積み上げる

積み上げていくと、下から3本が「下卦(げか)」、上から3本が「上卦(じょうか)」となり、この組み合わせで六十四卦のどれに当たるかが決まります。慣れないうちは、紙に「初爻・二爻・三爻・四爻・五爻・上爻」の欄を書いておいて、投げるたびに書き込んでいくとわかりやすいですよ。

一度手を動かしてしまえば、思っていたより単純な作業だと感じるはずです。難しいのはこのあとの「読み方」の部分で、そこは焦らず次の章で整理していきましょう。

出た目の判定表:老陽・老陰・少陽・少陰の数え方

3枚のコインを投げたとき、表裏の組み合わせは4通りしかありません。それぞれに点数をつけて判定するのが伝統的なやり方です。陽の面を3点、陰の面を2点として、3枚の合計点を出します。

出た結果合計点名称変化するか
陽が3枚9老陽(ろうよう)変わる(陰になる)
陽2枚・陰1枚8少陰(しょういん)変わらない
陰2枚・陽1枚7少陽(しょうよう)変わらない
陰が3枚6老陰(ろういん)変わる(陽になる)

ここ、実は初めての人がつまずきやすいポイントなんです。「陽が2枚出たんだから少陽じゃないの?」と思いがちなのですが、答えは逆で「少陰」になります。数の多さで単純に決まるわけではなく、合計点の奇数・偶数で陰陽が決まる仕組みだからなんですね。奇数(9・7)は陽、偶数(8・6)は陰というルールだと覚えておくと混乱しにくいと思います。

そして「老陽」「老陰」は、変化する線(変爻)を意味します。全部同じ面が揃った、いわば極まった状態だからこそ、次の段階へ動こうとする——そんなふうにイメージすると、理屈としても納得しやすいのではないでしょうか。

変爻ってなに?本卦と之卦、結局どっちを読めばいいの

変爻が本卦を之卦へと導く流れ 図2: 変爻が本卦を之卦へと導く流れ

6回コインを投げ終わると、老陽・老陰が混ざっていない限り、まずひとつの卦(本卦・ほんか)が決まります。もし老陽や老陰が出ていれば、その線が「変爻」として陰陽反転し、まったく別の卦(之卦・しか、または伏卦)が生まれることになります。

ここで「本卦と之卦、結局どっちを読めばいいの?」という疑問が出てきますよね。一般的な読み方の目安としては、変爻がある場合はその変爻の爻辞(線ごとの解説)を中心に読み、之卦は「今後どう動いていきそうか」という流れの参考として見る、という理解のされ方が多いようです。逆に変爻がまったく出なかった場合は、本卦の卦辞(全体の解説)をそのまま読む、というのが基本的な考え方とされています。

なお、変爻が複数出た場合の扱いには流派によって細かい違いがあり、朱子の『易学啓蒙』に基づく規則が引用されることもあります。ここまで来ると専門的になってくるので、まずは「変爻がひとつだけ出たケース」から慣れていくのがおすすめです。焦らず、ゆっくりでいいと思います。

タロットのスリーカードスプレッドのように、易占いも自分の手で立てて自分で読み解くタイプの占術です。最初から完璧に読もうとせず、まずは「この爻の言葉が今の自分にどう響くか」を感じてみることから始めてみてくださいね。

【事例(フィクション)】

30代のBさんは、交際中のパートナーとの関係を今後も続けるべきか、ここ数ヶ月ずっと迷っていました。ある晩、10円玉3枚で「このまま関係を続けた場合、自分はどうなるか」と問いかけて卦を立てたところ、変爻を含む卦が出たといいます。爻辞の内容を自分なりに読み解いたBさんは、「変化を恐れず、まず自分の気持ちを相手にきちんと伝えてみよう」という方向で気持ちが固まり、翌週、率直に話し合いの時間を持つことにしたそうです。

※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。

別れを迷っている場合は、タロット3枚引きで現状と選択肢を整理する方法も、易占いとは違った角度から気持ちを整理する助けになるかもしれません。

よくある質問

Q:略筮法とコイン占いは、まったく同じものと考えていい?

厳密には別物です。略筮法は本来、筮竹を使って行う簡易的な筮法の名称で、コインを使う方法(擲銭法・てきせんほう)はそれとは別に発展してきた簡易法だとされています。ただ、どちらも「本筮法を簡略化して手軽に卦を立てる」という考え方の延長線上にあるという点では、近い性質を持つ方法と言えると思います。

Q:コインは10円玉じゃないとダメ?

いいえ、100円玉でも500円玉でも問題ありません。大切なのは3枚とも同じ種類のコインを使い、表裏どちらを陽・陰にするかを占う前に決めておくことです。10円玉は絵柄と数字面の違いがはっきりしていて見分けやすいので、初心者にはおすすめしやすいというだけです。

Q:老陽・老陰が一度も出ないこともある?

はい、あります。6回投げてすべて少陽・少陰だった場合、変爻がゼロの卦になります。この場合は無理に之卦を探そうとせず、本卦の卦辞をそのまま読めば大丈夫です。

Q:占うたびに違う卦が出るけど、それでいいの?

はい、それで自然です。易占いは同じ問いでも、そのときどきの状況や心の状態によって違う卦が出るものとされています。「絶対にこれが正解」という受け取り方よりも、「今の自分にはこう見える」という気づきのきっかけとして向き合うのがいいと思います。

Q:初心者が64卦の意味を全部覚えるのは大変そう…

最初から暗記しようとしなくて大丈夫です。まずは出た卦の名前で調べながら読む、というやり方で十分続けられます。何度か繰り返すうちに、自分がよく出会う卦の傾向が見えてきたりもしますよ。

まとめ

10円玉3枚があれば、筮竹がなくても易占いの卦を自分の手で立てられます。表裏の意味を決めて、6回投げて、下から積み上げていく。手順そのものは意外とシンプルです。むずかしいのは老陽・老陰・少陽・少陰の判定と、変爻・之卦の読み方の部分ですが、ここも慣れの問題だと思います。

易占いは「当たる・当たらない」で一喜一憂するためのものというより、自分でも気づいていなかった心の傾きに気づかせてくれる道具、というくらいの距離感で付き合うのがちょうどいいのかなと思います。迷いが深くて自分だけでは整理しきれないときは、電話占いを初めて利用する前の準備を読んでから、専門の占い師に相談してみるのもひとつの選択肢です。ココナラの電話占いなら、無料クーポンを使って実際に相談してみることもできますよ。


10円玉3枚を使った易占い(略筮法)の記事を執筆しました。表裏の決め方、6ステップの手順、老陽・老陰・少陽・少陰の判定表、変爻と之卦の読み方、フィクション事例、FAQ、内部リンク3本を含めた約4,300字の記事です。画像は本文に挿入していません(システム側で自動生成の想定通り)。