この記事のポイント

  • レノルマンカードは36枚構成のカード占い。タロットとは異なる「具体的な日常シンボル」が特徴
  • 18世紀フランスの占い師ルノルマンの名を冠するが、カード自体は没後に整備された歴史を持つ
  • 正位置・逆位置の区別がなく、複数枚を組み合わせる「コンビネーション読み」が最大の醍醐味
  • 36枚全部を使う「グランタブロー」は、人生の全体像を俯瞰できる大展開法
  • タロットとの”使い分け”を知ることで、カード占いの幅がぐっと広がる

タロットカードを引く手元

カード占いと聞いて多くの方がすぐに思い浮かべるのは、タロットではないでしょうか。でも、欧州発のカード占い文化には、タロット以外にも豊かな体系が存在します。その中でも近年、国内の占い愛好家の間でじわじわ注目を集めているのが「レノルマンカード(ルノルマンカード)」です。

この記事では、レノルマンカードの成り立ちから全36枚のシンボルと意味、タロットとの違い、実践的な読み方まで、一度読むだけで全体像がつかめるように丁寧に整理しています。「カード占いの種類が気になる」「タロットとどう違うの?」という方にも、ぜひ参考にしていただければと思います。


レノルマンカードとは? 36枚に込められた「日常のシンボル」

レノルマンカードの最大の特徴は、その**シンボルの「身近さ」**にあります。

描かれているのは犬、家、星、ハート、鍵、花、船、鳥……どれも日常生活の中でなじみ深いモチーフです。タロットのように深い神話的・哲学的な象徴世界を読み解く必要がなく、各カードの意味がシンプルで覚えやすいのが大きな魅力のひとつ。「絵柄を見た瞬間に、キーワードが浮かびやすい」という点が、入門者から愛される理由として挙げられています。

また、レノルマンカードには「逆位置」がありません。タロットでは正位置と逆位置でカードの意味が変わることがありますが、レノルマンカードはすべて正位置で読みます。そのため読み取りがストレートで、質問への答えが明快に出やすいと言われています。

カードの枚数は全部で36枚。この36という数字は、後ほど詳しく触れる「グランタブロー(大展開)」など、独自のリーディング体系と深く結びついています。


フランス革命期の伝説的占い師が、名前の由来

「レノルマン」という名は、18世紀末〜19世紀初頭のフランスで活躍した占い師、**マリー・アンヌ・アデライド・ルノルマン(1772〜1843年)**に由来します。フランス革命からナポレオン時代にかけて活躍した彼女は、ナポレオン・ボナパルトやその皇后ジョゼフィーヌをはじめ、多くの著名人の運命を鑑定したとも伝えられています。その的中率の高さから「パリのシビュラ(預言者)」とも呼ばれ、フランス占い史においても特筆される人物として知られています。

ただ、ひとつ興味深い事実があります。現在「レノルマンカード」として流通している36枚のカードは、彼女の没後に別の人物たちによって整備されたものとされており、ルノルマン本人がこのカードを使っていたわけではないようです。カードのシステム自体は18〜19世紀のドイツ・フランスのカルトマンシー(カード占い)文化の流れの中で発展したと考えられています。

「名前が先にあり、カードが後から付いた」——そんなユニークな成り立ちを持つのが、レノルマンカードです。歴史の重みを感じながらカードを手に取るのも、この占術ならではの楽しみかもしれません。


タロットとレノルマン、何がどう違う? 🃏

「タロットは少し知っているけれど、レノルマンとはどう違うの?」という疑問はとても自然です。両者を主な観点から比較してみましょう。

タロットカードレノルマンカード
枚数78枚(大アルカナ22+小アルカナ56)36枚
絵柄のトーン神話・寓意的・象徴的日常的・具体的・シンプル
正位置・逆位置あり(どちらも重要)なし(すべて正位置)
得意なこと深層心理・人生テーマ・本質的な問い現実の状況・出来事・近未来予測
読み方の方向性カード1枚に豊かな象徴世界が宿る複数枚の組み合わせで文章を作る
初心者の入りやすさやや高い学習コスト比較的取り組みやすい

一言でまとめると、タロットは「人の内面や人生の本質的な流れ」を読むのに向いており、レノルマンカードは「現実に何が起きているか・どう展開するか」を具体的なシンボルで語るのが得意なツール、と理解されることが多いようです。

どちらが優れているという話ではありません。問いの性質に応じて使い分けることで、カード占いの可能性がぐっと広がります。


【事例(フィクション)】

30代のAさんは、付き合い始めて半年の相手との関係に漠然とした不安を感じていました。タロットを試みたものの、象徴的な絵柄の言葉が自分の状況にうまく重ならない気がして、別のアプローチを探していたといいます。レノルマンカードで3枚引きをしたところ、「雲(迷い・不安)」「鳥(会話・すれ違い)」「犬(信頼・友情)」という組み合わせが出ました。「話し合い不足から来る信頼の揺らぎ」として読み取ったことで、自分がうっすら感じていたことが言語化された気がした、とAさんは振り返ったそうです。

※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。


レノルマン36枚のシンボルとキーワード一覧

36枚にはそれぞれ番号が振られており、シンボルの絵柄と対応しています。以下に全カードの主なキーワードをまとめました。

No.シンボル主なキーワード
1騎士(馬)ニュース・急展開・到着・チャンスの到来
2クローバー小さな幸運・一時的な喜び・軽やかなチャンス
3移動・変化・旅・遠い場所・展開
4家庭・安定・基盤・プライベートな領域
5健康・成長・根付いたもの・長期的な発展
6迷い・混乱・不安・はっきりしない状況
7複雑さ・誘惑・知恵・女性的な問題
8終わり・変容・病気・手放し・再生
9花束(バラ)喜び・贈り物・美・感謝
10急変・決断・収穫・危険・突然の出来事
11葛藤・繰り返す問題・議論・鍛練
12会話・コミュニケーション・緊張・ざわめき
13子供新しい始まり・無邪気さ・小さいこと・未熟
14賢さ・仕事上の問題・欺き・策略
15強さ・権威・保護・財力
16希望・指針・明るい未来・導き
17コウノトリ変化・移行・妊娠・引っ越し
18忠実さ・友情・信頼・サポート
19権威・孤立・組織・自立・官僚的なもの
20庭園社交・公の場・イベント・多くの人
21障害・試練・忍耐・遅延
22選択・分岐点・決断・複数の可能性
23ネズミ損失・消耗・ストレス・じわじわ削られる
24ハート愛・情熱・感情・心の動き
25指輪契約・約束・パートナーシップ・繰り返すサイクル
26秘密・学び・隠れた知識・調査
27手紙連絡・文書・メッセージ・書き物
28紳士男性・重要な男性人物・自分自身(男性の場合)
29淑女女性・重要な女性人物・自分自身(女性の場合)
30百合純粋さ・成熟・官能・家族の和
31太陽成功・活力・明確さ・幸福
32感情・直感・評判・創造性
33解決・成功・重要な事柄・扉が開く
34財運・豊かさ・流れ・ビジネス
35安定・安心・長期的なもの・留まる力
36十字架(クロス)宿命・試練・重荷・使命・避けられない事柄

覚えるのが大変に感じるかもしれませんが、各シンボルは絵柄のイメージと意味が直結しやすいのが特徴です。犬は忠誠心を連想させるから「信頼・友情」、鎌は「切る」ものだから「急変・決断」、鍵は「開ける」ものだから「解決・成功」——絵を見ながら、自分なりのイメージを育てていくのが一番の近道と言えます。


テーブルに広げられたタロットスプレッド


読み方の基本:1枚引きから「グランタブロー」まで 🔮

レノルマンカードには、さまざまなスプレッド(展開法)があります。初心者には少枚数から、慣れてきたら36枚全部を使う大展開へ——段階的に楽しめるのも魅力のひとつです。

1枚引き(ワンオラクル)

最もシンプルな展開法。「今日の心がまえは?」「この選択はどうか?」といった問いかけに向いています。カード1枚の意味をじっくりと味わうことで、各シンボルへの理解が深まります。

3枚引き(スリーカード)

3枚を横に並べ、左から「過去・現在・未来」または「状況・課題・アドバイス」として読む方法。短時間で状況の流れをつかめるため、初心者の練習にもぴったりとされています。シンプルながら、コンビネーション読みの感覚を鍛えるのにも有効な展開法です。

9枚引き(ナインスプレッド)

3×3のグリッドにカードを並べる方法。中央のカードが「質問への核心的な答え」を示し、周囲の8枚がそれを取り囲むように文脈を補足します。複数カードの関係性を読み取る練習として取り組まれることも多いようです。

グランタブロー(36枚全展開)

レノルマンカード最大の展開法。36枚すべてを使い、「8列×4行+4枚」の形に並べます。「グランタブロー」はフランス語で「大きな絵画」を意味し、人生全体の流れ・人間関係・仕事・健康・近未来など、あらゆる側面を一度に俯瞰することができます。

読み解くには各カードへの習熟と練習が必要なため、上級者向けと言われていますが、「カード占いの醍醐味を最大限に体験したい」という方には究極の挑戦とも言えます。


コンビネーション読みで意味を「文章」にする

レノルマンカードの最大の面白さが、「コンビネーション読み」です。

複数のカードを並べ、それぞれの意味をつなぎ合わせて「一文」を作っていく——このプロセスがレノルマン特有の醍醐味と言えます。

たとえば「犬(信頼・友人)+手紙(連絡・メッセージ)」が出たなら、「信頼できる人物からの連絡がある」と読むことができます。「ハート(愛・感情)+鍵(解決・扉が開く)」なら「感情の問題に突破口が開く」「愛に関する答えが明らかになる」といった読み方が生まれます。

コンビネーションはすべてを丸暗記しようとするよりも、「それぞれのカードが示すキーワードを組み合わせた”あいうえお作文”」のようなものと理解するのが近道、という見方が広く共有されています。各カードの基本イメージをしっかり把握した上で、その場その場で柔軟に文章を組み立てていく感覚——練習を重ねるほど、この読み方は自然と身についていくと言われています。


【事例(フィクション)】

40代のBさんは、転職を考えていた時期に、今後の方向性を知りたくてレノルマンカードを使ってみました。5枚引きで横に並べたところ、「狐(仕事上の問題)・山(障害・試練)・道(選択・分岐点)・星(希望・導き)・家(安定)」という流れが出たとのこと。今の職場での課題や選択の転換点を経て、安定に向かう流れとして受け取ったBさんは、「頭の中でぐるぐるしていたことが、カードの並びに形として現れた感じがした」と言います。

※この事例はフィクションであり、実在の人物や出来事とは関係ありません。


気づきの表情の女性


レノルマンカードを始めるなら、まず知っておきたいこと

「やってみたい」と思ったとき、よく出てくる疑問にお答えします。

どんなデッキを選べばいい? 現在、さまざまなデザインのレノルマンデッキが販売されています。日本語の解説付きビギナー向けデッキも多いため、最初は「絵柄が見やすく、日本語キーワードが書いてあるもの」を選ぶのが取り組みやすいとされています。デザインへの直感的な好みも、リーディングへの集中しやすさに影響するため、「なんとなく好き」と感じたデッキを選ぶことも大切だと言われています。

独学でも学べる? 独学で習得している方は多くいます。基本の36枚のキーワードを書き出し、1日1枚ずつ引いて「今日の出来事と照らし合わせる」練習から始めると、感覚がつかみやすいと言われています。記録をつける習慣をつけると、カード一枚一枚の意味が自分のリアルな経験と結びついていきます。

タロットの知識は活きる? タロットとはアプローチが異なるため、タロットの知識がそのまま直接活きるわけではありません。ただ、「シンボルを読む思考習慣」や占いへの基本的な向き合い方はつながっている部分もあります。タロット経験者がレノルマンに移行するのも、タロット未経験者がレノルマンから始めるのも、どちらのルートも有効です。


まとめ:レノルマンカードは「今」を映す実践的なカード占い ✨

レノルマンカードは、36枚の身近なシンボルで構成されたカード占いです。18世紀フランスの伝説的占い師の名を冠しつつ、没後に整備されてきたというユニークな歴史を持ちます。

タロットとの最大の違いは、シンボルのアプローチの方向性です。タロットが人の内面や精神的な本質の流れを深く掘り下げるのに対し、レノルマンカードは「今、現実で何が起きているのか」「どう展開していくのか」を具体的なシンボルで語ります。コンビネーション読みの面白さ、グランタブローの壮大さは、慣れるほど奥深さが増していく体験とも言えます。

「タロットは難しそうで踏み出せない」「でもカード占いには興味がある」という方にとって、レノルマンカードは取り組みやすい入り口になることも多いようです。

自分の心の状態を整理したり、選択の場面で思考を深める手がかりにしたり——占いはあくまでも思考ツールのひとつです。それでも、36枚のシンボルたちが思いがけない気づきをもたらしてくれることは、レノルマンカードの大きな魅力のひとつだと思います。ぜひ、あなた自身のペースで楽しんでみてください 🃏